著者は目下、園芸に夢中である。
著者は、いわゆる「趣味を仕事にできちゃった系の人」で、それは幸せなことなのだが、それがゆえ、趣味がなくなってしまったのである。
これまで「こんなことやっている暇はないのに」と罪悪感を感じながらやっていたからこそ楽しく、時間を忘れて没頭していた趣味が仕事になった。
そう。
仕事をないがしろにして趣味に生きてきた人が、突然仕事人間になっちゃったのだ。
大問題である。
こんなことを日常化していたら過労になって病気になってしまうと危機感を感じ、適度に仕事をサボりだすのであったが、これまで楽しんでやっていたことが今サボりたいことなわけで、困った状況だったのである。
そんな著者を見事にカモにしたのが「あつまれどうぶつの森」であった。
何なんだこの楽しいゲームは・・・と仕事の合間にやりだす。
自分の部屋と庭造りに精を出し、それが終われば、住民の庭を作成し、それも終われば公園・市場・カフェ・森・畑と進み、しまいには、ライブ会場やらPCR検査会場なども作り出した訳だが、色々造っていくうちに、自分がもっとも造りたいのは「ガーデン」であるという事実に気がついた。
途中で、自分の中のガーデンのイメージが枯渇してしまった著者は、You Tubeのあつ森のゲーム実況チャンネルを観るだけでは飽き足らず、ピンタレストでリアルな庭の画像を検索し始め、それでは足りないとリアルのガーデンや園芸の本を図書館に借りに行くようになってしまった。
この辺りで、実際にお花育てたほうが楽しいんじゃないか?と思うようになり、その年の早春、ついに実際にお花を植えるようになったのである。
過去に、難易度最低クラスと言われるポーチュラカを咲かせられなかったという惨めな経験がある著者は、最初はコワゴワだったものの、初夏にロベリアを満開にできた辺りで調子に乗り出した。
梅雨から夏にかけて、次々に苗を購入し、その結果、猛暑と蒸れで一気に大量死滅させたのであった。
あぁ、確かに大量に根腐れさせてしまった。
己のエゴのために数々の生命を、花を咲かせるという目的を全うさせられずに絶やしてしまったという罪悪感に苛まれた。
この種の失敗は、「私はもう二度とやらない」と完璧に挫折するタイプの事象である。
しかし、著者はめげなかった。
罪悪感はあったが、それ以上にお花たちの世話をする時間が仕事の合間の気晴らしとして機能しており、それは、もはやなくてはならない時間になっていたからである。
というわけで、その秋には秋蒔きのパンジー・フェリシア・バージニアストック・忘れな草・マトリカリアの種まきに挑戦した。
そして著者は宣言したのであった。
「このうちの半分でもお花が咲いたら、園芸にドハマりするだろう。」と。
そして、もうすぐ春を迎えようとしている・・・。
追伸
マトリカリアは年末年始の厳しい寒さによりなくなってしまいました(涙)